たとえばあなたが今日、急ぎのメールを仲の良い取引先へ送ったとします。 数分後、上司が激怒してあなたの元にやってきました。 上司「メールの書き出し、《時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます》とは何だ!ご清祥は個人に宛てる言葉だろう!」 こんな調子でメール1本に赤が10箇所以上入れられ、再送することになります。ところで先方は仲の良い取引先なので「いつもお世話になっております、くらいでいいのに《時下ますます~》なんて律儀だなあ」と感心していました。しかし上司は「お前はこれから、俺のOKが出るまで他社へメールを送るな」と指示。部下は上司がいる時間にしかメールを送れず、プロジェクトが遅延することになりました。 このように、部下の業務に強い干渉を行う指導方法を「マイクロマネジメント」と呼びます。マイクロマネジメントは何でも上司の許可がいるようにすることで部下の自主性を奪い、やる気をなくさせます。パワハラの一種として認識されているほか、婉曲的なリストラの手法としても使われます。仕事がシステマティックに動く日系大企業よりも、裁量権の大きい外資やベンチャーでよく起きるようです。 私は今までに数名のマイクロマネジメント上司に当たり、時には何人ものうつ病を発生させてきた上司だったこともあります。メールの例に倣えばスペースは全角だけ使え、「○○様」は文字サイズを0.5pt大きく、署名欄のフォントは氏名だけ明朝で電話はゴシック体がいい・・・など列挙しても信じてもらえないかもしれません。 しかし、そんな上司でも楽しく仕事をするすべはあります。今日は過干渉を行う上司と楽しく仕事をする方法について、生き延びた経験から書いていきます。 ・上司は「不安でたまらない」ことを察してあげる マイクロマネジメント型の上司の共通点として「自分の仕事を完璧にしなくちゃ!」という強い不安を抱えていることを挙げておきます。特に年次の浅い上司ですと、それまで《よくできる部下》の立場で頑張ってきた経験の方が長くあります。そのため自分が上司になったときは「期待を裏切らないように、前の自分と同じアウトプットを出さなくちゃ!」と踏ん張ります。 ところが、出世直前の経験豊富なヒラと(大抵それより年次が浅い)自分の部下の出来は異なってきます。何なら、新卒の学生が「お世話になっております」どころか「こんにちは。」とメールを書き出すこともあるでしょう。そんな時、上司は強い不安に襲われます。《私の完璧だった仕事が壊される!》と。 このように、マイクロマネジメント上司は「こんにちは。」の一文で心が吹っ飛ぶほど繊細なメンタルの持ち主であることを理解し、優しく包んであげなくてはいけません。自分が部下だと思うのはやめて、親のつもりで上司を育てる心意気でいきましょう。 ・正確さのためなら仕事を遅らせる よくマイクロマネジメント上司は「この書類を今日中に送れ」「でもミスは許さないので、何度でもチェックさせろ」という矛盾したことを言います。「急げ、でも急ぐな」-こういった間逆の指示をされると部下はパニックに陥りがちです。意味が逆の指示を同時に与えることを「ダブル・バインド(二重拘束)」といい、児童虐待やパワハラの場面でよく見られます。 でも上司はこの指示がダブル・バインドだと気づきません。なぜでしょうか? 実はこの指示のうち「今日中にやれ」は《上司の上司やお取引先など、他人から与えられた指示》なのです。上司の本音としてはできる限り時間をかけて完璧な書類を出したいが、周りがそれを許さないという不安状態にあります。 だからヒラとして大切なのは、目の前の上司を安心させてあげること。即ち「遅れてもいいから正確にやる」ことです。 もちろん期限に間に合わないことで小言を言われることもあるでしょう。しかし、その小言は「早く提出して質が低かった」仕事の1/10になります。なぜなら、時間をかけても正確なものを提出することが「上司が本当にやりたかったこと」だからです。遠くの偉い人より目の前の上司。スピードより質を優先させましょう。 ・取引先を味方につける マイクロマネジメント型の上司は、取引先にもそれがバレています。「同じ会社でもあの部署から出てくるものは遅いなあ」と思われていたり、部下を叱る上司を目の当たりにしているからです。だからこそ味方につけるべきは取引先の人たち。「いつも上司が厳しくて大変だね」と言ってもらえるようになったらこっちのものです。 プロジェクトが遅れそうなときは事前に電話し「すみません、弊社の上長が……」と曇らせた声で相手を説得しましょう。こうして「正確さを優先することで上司に気に入られる」だけでなく「取引先にも上司を言い訳に待ってもらう」根回しをすれば完璧です。 (なお、相手が下請けの場合はプロジェクトが遅れたせいで相手が徹夜したり、休日出勤するはめになります。お中元・お歳暮・お土産などで少しでもいたわってください・・・・・・。) ・「完璧な部下」と「ダメな可愛い部下」のどちらを求めているか見極める マイクロマネジメント型の上司は《本当に完璧な部下》を求めている場合と《可愛いダメ部下》を求めている2パターンがあります。私の実感値では、比率で3:7くらいです。あまりに部下がデキると、マイクロマネジメント型上司は「私の存在意義がないかも」と不安になるからです。 もし後者の《可愛いダメ部下》を求める上司に出会ったなら「完璧な仕事マイナス1」の仕事をするよう努めましょう。そこで「もー、どうして表の題名を太字にし忘れてるんだ?これだから俺がいないとなぁ」と思わせるのが部下の腕です。なお、上司が変わったときにすぐ対応できるよう完璧な文書のコピーは必ず作成しておきましょう。 ・上司は細かさという強みを持つ人材であると認める 上司は圧倒的にあなたより細かい人間ですが、「ミスをしない」強みで生きてきたことに間違いはありません。どうしてもミスが生まれがちな細かい作業を完璧に仕上げられるというのは、大きな強みです。上司の部下を教える手法は一切教わる必要はありませんが、完璧な書類を作るためにどうやって見直しているのか、スキルは盗んでおくことに越したことはないでしょう。 また、上司の細かさは「いびる性格」なのではなく、「仕事上の強み」と知ることで、上司がいざミスをしてもたまたま強みが見られなかっただけと思うようになります。これが「いつもうるさい上司だな」と思っていれば「なんだ、人のミスはがなりたてるのに自分のミスは笑って謝罪かよ」とフラストレーションを溜めかねません。 上司はたまたまミスが極端に少ない強みを持つだけで、あなたと同じ人です。上司のミスを見えないうちにキャッチできる部下になれば、あなたが次の上司になっても、部下のミスを同じように事前キャッチできるようになります。 以上、マイクロマネジメント上司と楽しく仕事するコツについて書いてみました。新卒でいきなりこんな上司に出会ってしまった方や、転職でこんなはずじゃないと思った方のお役に立てれば幸いです。 スポンサーサイト
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月に1度くらいライターの依頼が来て、気が向いたら乗ることにしている。ただし必ず断るのは「キャラ作りしなくてはいけない」仕事だ。こんなブログでも続けていると「ライターしない?」といったオファーをいただくことがある。オファーをくれる会社はブログ経由だから、会うまで私の人となりはおろか、実在するかどうかすらご存知でない。だから、ブログから読み取れるイメージだけで話をすることになる。 そしてお会いすると「いやーもっと○○みたいな人だと思ってましたよー」と“ネットと実在のギャップ”について語られることが多い。ブログだと私は藤○数希の中の人とか、左脳系はあちゅうに見えるらしかった。実際は残念ながら挙げたような人たちには到底なれないので、まー普通の会社員ですよね!と笑うことになる。笑いながら「でも、左脳系はあちゅうを自称したほうが、ブログは読まれるよなぁ」と思う。 もしライターをしたいのなら「左脳系はあちゅう」みたいに判りやすいキャラになったほうが売れる。人は《どんなにキャリアで成功していようが上から目線でバカにできる隙がある》コンテンツが好きだから。ブログのタイトルを「左脳系はあちゅう☆外資系OLの港区婚活ブログ」にしたら、閲覧者を倍にできるかもしれない。 「ライターとして活躍するために、結婚に関する情報を全て削除してください」と言われたこともある。編集者は言った。「てっきり『バリキャリOL、アラサー婚活真っ最中だけどなぜか結婚できないの』というキャラで本を出すおつもりかと思ったんですね。でもこの前結婚されたと書いていたから、びっくりしたんです。」と。 それを聞いて「アラサー未婚」という《どんなにキャリアで成功していようが上から目線でバカにできる隙がある》コンテンツの力強さを思い知ったし、もしかするとあのブロガーやあのブロガーも本当はとっくに既婚者で、子どもを幼稚園に預けてから婚活ブログを書いていたりするのかな、と思った。 私もブログを書くくらいだから承認欲求は高いほうだ。でも、このブログは永久に個人の日記。コミュ障にとって癒しとは1人でPC画面を見ながら生まれるもの。ここは私の小さな癒しの場。人を好き勝手に分析するのも「個人の日記でやりたいこと」だからであって「誰かが書いて欲しいから書く」のではなく、金をもらわない限りやりたくない。ウェブライターなんて1文字2円~の世界。もしこの単価でよく「結婚するならこのくらいは稼いでほしい」と引き合いに出される年収600万を稼ぐなら、300万文字を毎年書かねばならないのだ。卒業論文100本分!死ぬ! いま大ヒットしているアラサーブロガーの人たちは、そんな山を1つ越えて覚悟決めた人たちのはずだ。もしかするとアラサー婚活ブログのウラには癒しの自分専用ブログが別にあって、毎クールのアニメ実況や、ガイガーカウンターで放射線量を計測するだけの日記があるかもしれない。そう思うと、なんだか世界が愛おしくなるのでした。 |
少女革命ウテナ、というアニメが1997年に放送されていた。 ―ウテナは普通じゃない女の子。普通の女子は「王子様に愛されるお姫様になりたい!」と思う。でもウテナは「王子様になりたい!」と思うのだ。そんなウテナが出会った姫宮アンシーは、ウテナの対極をいく女性だった。男性の所有物になりたがる。そんなアンシーをウテナは救いたいと、アンシーを求める男性に決闘を申し込んでいく― アニメ「少女革命ウテナ」は、一部女児に強烈な革命を起こした。当時の女といえば“男に求められて価値が生まれるもの”。告白を自分からするなんて、プロポーズを自分からするなんて有り得ない。そんな時代に「自分が王子様になる!」という響きは勇気を与えた。少なくとも私は与えられた。私もいつか王子様になって、好きになった人を守りたいと思った。 それから17年がたち、女児はアラサーになった。そして私は、オーネットで婚活をしていた。ウテナと間逆の「お姫様」になろうとしていた。 どうしてこうなってしまったんだろう?1つの原因に絞ることはできない。総合職に内定したときの親戚の残念顔だろうか。守ろうとした彼氏が単なるヒモだと気づいてしまったあの日か。バリキャリだった姉が突然40歳で結婚した日か。塵のように降り積る『でも、あなたはお姫様の役割があるでしょう?』という言葉が、私を走らせていた。LET IT GOを歌ってもエルサは城へ戻るんだ。2015年になった今でも。 私の世界は一瞬革命されても、世界は何にも変わらなかった。 アラサーになったウテナのなり損ないがもう1つ気づいたのは、私たちが「姫宮アンシーを刺し始めた」ことだった。アンシーは劇中に出てくる「王子様」と対になる「お姫様」ではない。男性に翻弄され、男性の言うがままになる女性だ。 「私はお姫様になる」と思っている女性や、ウテナになりそこなった女性たちにとって、アンシーのような女性は、憎くてたまらない。男性にちやほやされ、自立心もなく複数の相手をふらつき、笑顔をふりまく。現代の言葉なら彼女こそ「サークルクラッシャー」とか「ビッチ」と呼ばれるだろう。本当は意思すらもてない、かわいそうな女性であったはずなのに。 ウテナのように「大事な人を守る!」と憧れた女性は、かくして本来守るべき「弱い女性」を刺し始める。意思がなく男の間をふらつく女性を刺さねば「お姫様」の地位が揺らいでしまう。「私の王子様になるべき男性が堕落してしまう。」アニメの中でもアンシーは様々な憎しみの対象になる。『お姫様を選ぶ王子様』と『王子様に選ばれるお姫様』システムの中では、アンシーを殺さなくてはいけないからだ。 真っ先に助けるべき「か弱い女性」が敵になるなんて、10歳の私は思ってなかった。王子様になるはずだった私は、お姫様になるために「ビッチ」を刺す立場になった。 さて、「お姫様」に選ばれた女性には、物語の続きがある。お姫様は子どもを作り、女王様にならなくてはいけないのだ。今夜22時に始まるマザーゲームというドラマは、子どもの成績や夫の年収でいがみあうママたちの姿を描くらしい。戦いは続く。お姫様に選ばれても、女王様になっても。 ウテナはアニメの中で、王子様ーお姫様システムすら超えて別の世界へ行ってしまうけど、ネタバレはつまらないのと、「お姫様は女のコ」「王子様は男のコ」の世界すら超えられない私たちに議論する資格なんかないのでやめよう。 お姫様から女王様になり、戦いに疲れてはっと後ろを振り向いたとき、『王子様に選ばれるなんてくっだらなーい』と言ってくれるはずのウテナはあまりにも、遠い。 |
「どうしても1人足りなくて!お願い、今から来れる?」の一言で、合コンに行った。その日は電通の説明会を受けた直後で、意識の高さは絶頂。そういう時の誘いは何でも気持ちがいい。まるで仕事のアポが取れたかのように、指定された場所へ行った。 「赤坂駅で降りて、出口を曲がって、進んで」指示されるままに歩くと、高いビルがあった。田舎からお上りした私でも気づいた。 「これ、赤坂サカスじゃん?」 遅れて参加した。先にいた慶應女子たちの笑顔がまぶしかった。そんなまぶしい女子が一生懸命、涙ぐましいほどに相手の話を取り出し、盛り上げた。年収は女を聞き役にさせる。対して男たちときたら、辛うじてワイシャツは着てきました・・・という程度の普段着で、清潔感は10段階中4くらいだった。ただし筋肉はムキムキで、男子校で好かれそうな外見の男子が4人いた。 電話1本で誘われたとはいえ、私の尊敬する聡い女性が金と権力に負ける姿は少し悲しい。食べ物はデリバリーだから大丈夫だよ、と言われ待っていたら、ピザハットが届いた。高級マンションで釣っておいてからのピザハット。相手を非・丁重にもてなす、最低のコラボじゃないか? そこにダメ押しでホッピーが届く。ホッピーって!慶應女子の1人が無邪気に質問する。「これ、なんですか?」だよね!女性しか入れない店舗にまずないもんね!ホッピー!! 一体全体、男性の目的はなんだろうか?日本の女子大生で最も金がかかりそうなイメージのある慶應女子を4、5人捕まえて、ピザハットとホッピー。これを見て軽蔑しない子はいまい。赤坂サカスに住むようなひとだから忙しいだろう。忙しい中で出会いながら、関係を持つチャンスを限りなくゼロにする行動の数々。それ、何ゲーム? この合コン、もはや面白くなってきた。 私は普通の合コンを忘れ、ぶっこむことにした。 私「ピザハット食べるの初めてです!お好きなんですか?」←実家が田舎すぎてピザハットが無かったから、実際に人生初だった 男性「いや、あんまり食事にうまいマズイとかわかんなくてさ~。高層マンションに住むと外に出るの面倒になるじゃん?そうすると出前でピザって便利なんだよね!」 この人、育ちは普通の家庭だと思った。ある程度以上の階級で育った人は、自分がたとえザル舌でも”下品”と見られるから普通は隠したがる。もしかして、ピザハットを合コンで頼むのも「自分がいつも食べているもの」なだけで、失礼に当たるとすら思っていないかもしれなかった。 男性「高校は田舎だったんだけど、大学でて会社員っていうのもなぁと。(中略)それなりに食べられるようになって」 男性「それでこうやって慶應の女の子と会えるんだから、まあ良かったよな!!」 はっとした。私たちが『赤坂サカスに住んでいるお兄さん』で集まるように、彼らは『慶應ガール』を求めたのだ。「家柄があって金がない女子」と「収入があって家柄がない男子」の集まり。私たちはお互いに浅はかなブランド意識で集まったんだ。蛾が光に集まるように。胸がきゅっと痛くなった。 トイレに立った帰り、寝室がちらりと見えた。ベッドルームが全面、鏡張りだった。文学の授業で出てきた、江戸川乱歩の『鏡地獄』を思い出した。全面鏡張りの球体に入った男性が発狂する話。部屋をのぞいただけで複数の自分と目が合った。ひいい。走って戻って「え、え、いま、寝室全部鏡張りだったんですけど!?」とパーティルームへ飛び込んだ。 持ち主の男性はあっけらかんとした顔で 「ああ、それ、毎朝自分をチェックするのに使ってるんだよね。気にならない?自分の体。」 いいえ、気にならない。 私は足早においとました。世界は私が思ったよりずっとゆがんでいて、切なかった。学歴も家柄も私には無いから、補填してあげられなくてごめんね。と、心で小さく謝罪した。 ☆地名や設定は個人情報がわからないよういじりました |
私は美人。とりあえず合コンへ行けば1人にはその日に熱烈な告白を受ける。通勤電車で見知らぬ人に告白されたこともある。読者モデルの勧誘に引っかかる。料理上手だから彼に飽きられることもなく、1年以上付き合うのが当たり前。美人ぷりを鼻にかけてるわけでもないから、たまにいる「同性の友達がいない男の中でしか生息できないビッチ」でもない。 でも、こういうことを書くと特にネットではバッシングされる。事実しか書いてないのに、なぜ? 少し前にこういう質問を某投稿系サイトにアップロードしてみたところ、帰ってきたのは ・美人を自称した瞬間に「美人じゃなさそう感」が漂う ・同様に「自称・料理上手」は料理がまずそう。美味しいなら振舞って実力を見せるだけでいい。 ・合コンに行って好かれようとしてる時点で美人じゃなさそう ・ビッチを引き合いに出す時点で同じ穴のムジナっぽい といった回答だった。 まとめると《他人から褒められるのが「美人」》なのであって、自分でアピールするとブスな上に性格も悪い、という2重の烙印を押されるようだ。もっと厳密に言うと「美人」などという生き物は存在しておらず「他人から美人と褒められる瞬間」だけ、人は美人という枠に収まるのかもしれない。大変勉強になった。 さて、以下の文章を読んでほしい。 日本は美しい。一度観光へ行けばその日のうちに好きになる。電車は正確だし、可愛い女性も多い。料理が美味しい国だから住んでいて飽きもこないし、1年以上住む外国人も多い。謙虚な人が多いから、たまにある「世界の中心が自分かのように自国を語る」民度の低いことはしない。 最近書店に並んでいる日本ハレルヤ本が、むしろ日本を二流っぽく見せていることはこれで浮き彫りになったと思う。日本ハレルヤ本のダサさは、著者が日本人、読者も日本人なところにある。美人が「HOW TO 美人」本を自費出版しているといったところか。ダサい。いくら美人がやっててもダサすぎる。ISILの幹部とダライ・ラマとアメリカ国民全員に絶賛されてから出直して欲しいぜ、男女平等度で104位の国が笑わせる。っちゅー話である。 レストランレビューひとつ取っても、店舗のオススメが掲載されるぐるなびと、個人のレビュー中心の食べログどちらが信頼度が高いとみなされるか。人は他人の評価を、異常なくらい自画自賛より信頼するのだ。そういう意味で、日本ハレルヤ本は"ぐるなび路線"をひた走り、日本がいかにマズい国かを世界に向けてアピールしてくれていると言えよう。 さて、本物の美人に「美人であることをどう思うか」聞いてみた。性犯罪のリスクに晒され、好みの男性には高嶺の花扱いを受けてモテず、友人には嫉妬され、就活もなまじ顔でうまくいくから能力に悩み・・・・・・と苦労も多いらしかった。 しかしそこで被害を訴えても「美人の税金みたいなものだから」とよけい嫉妬される。美人の彼女は「美人かどうかという他人の評価に対しては、受身でいるのが一番」と言っていた。褒められたときだけ「ありがとう」で済ませる。その瞬間だけ彼女は「美人」になるが、その他の時間は嫉妬から逃れ自由に生きる。なるほど、本人が幸せなように生きることが「美しい生き方」か、と納得した。日本が他者評価から逃れて、美しい生き方を会得するには、もう少し時間が必要かもしれない。 |
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